府中で競馬の歴史からアトラクションまで楽しめる「JRA競馬博物館」

府中競馬正門前駅から徒歩約7分、東京競馬場正門から左手方面に歩いた先の東門そばにあるJRA競馬博物館。競馬の歴史から競馬を体感できるアトラクションまで楽しめる見所がいっぱいのスポットです。

近くには子ども向けのアスレチック広場に加え、競馬開催日には乗馬体験や馬と記念撮影ができるふれあいコーナーなどもあるため、お子様連れのご家族が休日に長く遊ぶスポットとしてもおすすめできます。

競馬ファンからファミリー層まで来館

JRA競馬博物館には、東京競馬場で大きなレースが行われる日は4,000人以上もの人が訪れるとのこと。競馬ファンの方は勿論のこと、ファミリーから幼稚園・保育園の遠足、歩こう会のシニアの団体様など、様々な方が来館されるそうです。展示をじっくり見たい方は平日の来館もおすすめです。

まずは2Fから競馬史を学ぶ

エントランスホールを入って左手奥にある階段・エスカレーターを登った2Fには、広々とした空間に大きな巨大パネルの飾られたPhotoスポットがあります。ここでパネルのウオッカやディープインパクトと記念撮影が楽しめます。

右手に進むと世界と日本の競馬の歴史が学べるコーナー(展示室1)です。人が家畜として
馬を利用するようになったのが、紀元前4~3000年頃と言われており、古代から戦場や農作業の使役などに使われていましたが、中世になるとイギリスの王侯貴族を中心に個人同士で所有馬を走らせて勝敗を賭ける所から競馬が発展し、やがて賭け金を集計して的中者に配当金を分配する組織的な仕組みが誕生するなど、現在の競馬につながる流れが貴重な資料と共に解説されています。

競馬の主役であるサラブレッドはイギリスで基礎が作られ、現在世界中のサラブレッドの父親を辿っていくと、この3頭の馬に行き着くそうです。さらに、そのうちの95%以上が真ん中のダーレー・アラビアンという馬の子孫になるとのこと。私たちがレースで見る馬達も元を辿れば、ほぼ親戚同士で順位を競っていると考えると非常に面白いですよね。

競馬史コーナーでは画像のように実際の絵を元にしたジオラマ作品が飾られているのですが、とてもよくできていて鑑賞しているだけで楽しめます。当時の雰囲気を想像しながら競馬の歴史に浸ってみるのもおすすめです。

日本で現在の形につながる競馬が出てきたのは幕末のペリー来航後でした。当時海外から来て居留地で生活する外国人向けに造られた本格的な競馬施設が、今も跡地が残る根岸の競馬場だそうです。東京湾と富士山が一望できる抜群のロケーションであったことが当時の絵からも窺い知ることができます。

因みに根岸競馬場は不平等条約の撤回を求めて奔走する政府が諸外国の要人と交流する社交場としても使われていました。当時の「騎手人名板」には競走馬を所有する馬主として誰もが歴史の教科書で習った有名な人の名前もあります。気になる方は是非JRA競馬博物館の歴史コーナーで見つけてみてください。

歴史コーナーを進むと発馬機コーナーがあります。ここではJRAで実際に使われていたものと同型の発馬機でゲートを開くスターターの体験ができるという貴重な場所です。赤い旗を振るとファンファーレが鳴り、赤いランプが点灯したら手元のレリーズを握ることでゲートが開きます。専用の制服を着て体験することもできるので、スターターになりきって楽しめますよ。因みに実際には最大18頭の馬の様子を見てスタートのタイミングを判断する責任の重い仕事のため、JRA職員のなかでも獣医師の資格を持った熟練の方等が担当しているそうです。

発馬機コーナーでは、ゲート内の馬に騎乗して騎手の気分でゲートが開く瞬間を味わうことも可能です。お子様連れのファミリーや友人と一緒に来られた方は、是非ここで騎手役とスターター役に分かれて体験してみてください。ゲートの中は案外狭く、ゲートが開く音はとても大きいので、この状態でレースに挑む馬と騎手の気持ちを思うと、かなりの緊張感が想像できますよ。

さらに進むと馬の歩幅を床に視覚化したコーナーがあります。馬には速さの異なる常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)、襲歩(しゅうほ)と4つの歩き方・走り方があるのですが、全力疾走の襲歩はかなりの距離を大きな歩幅で進んでいることが分かります。自分の歩幅と比べてみるとその差は圧巻でした。これだけのスピードで18頭の馬が同時に走ることを考えたらすごい迫力ですよね。

さらに進んだ先にある所で注目したいのが「サラブレッドサイアーライン」という馬の血統が調べられるコーナー。先ほどの競馬史コーナーで現在世界中のサラブレッドの父親を辿ると3頭の馬に行き着くという話をしましたが、下にあるモニターに表示された馬を選択すると、画像のように選んだ馬の両親からどんどん血を遡り、先祖の馬に辿り着く様子を見ることができます。

因みにこちらのデータベースは競馬博物館オリジナルとのことで、努力の結晶です。現在も毎年更新しているそうなので、来館したら是非チェックしてみてください。目の前の円形の光がどんどん中央に表示された3頭に辿り着く様子は綺麗なので、自分の気になる馬を是非調べてくださいね。

さらに進むと東京競馬場の歴史が辿れる「東京競馬場歴史絵巻」のコーナーです。下にあるモニターで時代を選ぶと、大きな画面に写真やエピソードも表示されて東京競馬場の歴史を学ぶことができます。画像のエピソードでは府中市民なら見慣れたけやき並木が表示されていますが、なんと昔はここで馬市が開かれ、馬の売買が行われていたようです。このようなことからも府中市と競馬の昔からの繋がりが確認できますね。

2Fには1969年から2018年までの重賞競走やJRA顕彰馬のオリジナル映像を視聴できるコーナーもあります。私はこのコーナーで自分が賭けて勝ったことのあるレース(2013年秋の天皇賞、優勝馬ジャスタウェイ)を早速視聴しました。自分が勝ったことのあるレースを見ると、その時の白熱した気分が蘇ってきてとても良い気分になりました。もう一度見たいレースがある方は是非こちらで検索してみてください。

1Fに戻ってアトラクションを楽しむ!

1階の正面出入口からエントランスに入って左側にあるのがアトラクションコーナー。大型4面スクリーンと5.1chサラウンドの臨場感あふれる劇場型アトラクション「ライヴシアター」、顔写真を撮影して好きな勝負服を選択することでモニター上で騎手になれる「なりきりジョッキー」、迫力の映像と共に乗馬マシンに乗りGⅠレースを体感できる「RIDE ON GI HORSE(ライド・オン・GⅠホース)」の3つのアトラクションを体験できます。

私は今回、昨年導入されたばかりの新アトラクション「RIDE ON GI HORSE」を体験してみました。いろいろなモードが選択できるのですが、今回はVRゴーグルを装着するモードを選択。360度見渡すことができ、レース中の馬との距離感や景色は迫力満点で楽しむことができました。乗っている乗馬マシンがかなり揺れるのでこの距離感をこんなに揺れて疾走していると思うとジョッキーは大変な仕事だということが分かります(このアトラクションは乗馬マシンのため、実際はもっと揺れが大きいかもしれません)。このアトラクションはかなり人気で競馬開催日は多くの方が並んでいたので、興味のある方は平日に体験することをおすすめします。

エントランスを挟んで反対側にあるのが馬の学び舎ミュージアム・ホール。ここでは馬や競馬に関するアニメや映像作品が楽しめます。時間帯や時期によって上映内容も違うようなので、事前にHPなどで確認しておくと安心です。

馬の学び舎では等身大の馬の模型などもあるので、自分のサイズと比較して大きさを確認してみると面白いですよ。

時期によって変わる特別展示

エントランスから左手奥のギャラリーと2F展示室3は、時期によって様々な企画に変わるようです。私が行った時はちょうど特別展「京都競馬場100周年記念展」を見ることができました。実際に関係者からお借りした優勝レイやゼッケン、競馬博物館で保管している当時の競馬新聞など貴重な資料が展示されていました。

ここでは京都競馬場の大正時代の馬券(複製)が展示されていました。まるで紙幣のように凝ったデザインで「貳拾圓」(二十円)と書かれており、安くてこんな凝った馬券で羨ましく思ったのも束の間、当時の貳拾圓は現在の価値と異なり、およそ6〜7万円に相当するそうです。今では気軽に100円から賭けることができますが、当時は1枚の馬券を買うのも大変だったことがよく分かりました。

博物館の目玉「競馬の殿堂」コーナー

1F奥にある「競馬の殿堂」では、顕彰馬と顕彰者(調教師・騎手)の功績を鑑賞することができます。競馬愛好家の方はこのコーナーを目当てに来る方が多いそうで、自分の好きな馬やその調教師と騎手をこちらで確認するようです。毎年生まれてくるサラブレッドが約7,000頭いる中で競走馬としてレースデビューできるのが約4,500頭、その中で勝ち抜き後世に語られるまでの功績を残したと認められる顕彰馬は「競馬の殿堂」に展示されている僅かな馬達とのこと。競馬という世界はその僅かな馬達の影に多くの馬達が存在し、それを支える馬主や調教師をはじめとする多くの人が関わる世界だそうです。(※「競馬の殿堂」コーナーは画像とは異なります)

決して莫大なお金が稼げるだけの華やかな世界ではないのですが、それでも競馬を愛する人たちによって支えられている業界なのだということを実感できました。ここに来ると、競馬の見方が少し変わってくる気がします。「競馬の殿堂」は絵画や馬像などの著作物が展示されているコーナーのため、撮影禁止エリアとなっています(画像の展示がある奥に「競馬の殿堂」コーナーがあります)。気になる方は是非一度ご自分の目で確認してみてください。

JRA競馬博物館
住所:東京都府中市日吉町1-1 JRA東京競馬場内
アクセス:
京王線「府中競馬正門前駅」から徒歩約7分
京王線「東府中駅」から徒歩約10分
京王線「府中駅」から徒歩約18分
JR武蔵野線/JR南武線「府中本町駅」から徒歩約18分
西武多摩川線「是政駅」から徒歩約20分
TEL:042-314-5800
営業時間:
10:00-17:00 東京競馬開催日及びパークウインズ開催日
10:00-16:00 その他の日(※東門のみ開放)
定休日:
【3月~11月】月・火曜日(祝休日の場合は開館し、直後の平日を休館)
【12月・1月・2月】月・火・金曜日(祝休日の場合は開館)
※年末年始、その他臨時休館日あり
駐車場:
平日・祝日無料(東京競馬場第1駐車場)
※中央競馬開催日は有料(公共交通機関をご利用ください)
※大型観光バスの駐車についてはお問合せください

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。