JR南武線と京王線が交わる分倍河原駅。改札を抜けた瞬間、鼻をくすぐるのは芳醇なダシの香り。
その香りに誘われるように視線を上げると「立ち喰いそば・うどん」の文字と並んで、ひときわ存在感を放つ「名物カレー」の看板が目に飛び込んできます。
こちらが今回ご紹介する、立ち食いそばの人気店「山長そば 分倍河原店」です。
立ち食いそばの常識を覆す一杯。分倍河原「山長そば」で出会う名物牛すじカレー
多摩エリアでおなじみのやきとり山長系列。やきとり屋さんが営む立ち食いそばで、しかもカレー推しという意外な組み合わせ。
しかしその”ギャップ”こそが、この店を訪れた人の心を掴んで離さない理由なんです。
生そばと出汁が光る、“本気仕様”の立ち食いそば
立ち食いそば屋でカレー推し？と少し意外に思うかもしれません。しかしその疑問は一口食べればたちまち吹き飛びます。
まずは、定番のそばからご紹介します。
濃い口の関東風の出汁に、生そばを合わせた正統派スタイル。香り立つ生そばは、つゆを含んでも香りが負けません。うどんはコシ重視で、つるりとした喉越しが心地よい。どちらも立ち食いクオリティの枠に収まらない”本気仕様”です。
主役はそばではない?圧倒的人気の名物「牛すじカレー」
とはいえ、この店を語る上で欠かせないのが牛すじカレーです。グルメサイトの口コミを見ても、大半がそばではなくカレーのレビューで埋め尽くされています。
「立ち食いなのに感動した」「牛すじがホロホロ」「もはや専門店レベル」——
定食屋やカレー専門店に引けを取らない評価なんです。
店頭には「牛すじ肉の旨味を最大限に引き出し、長時間煮込んだホロホロコクウマカレー。立ち喰いの境地を逸脱した完成度に絶対的自信あり。」と、力強いメッセージが掲げられていますが、その味わいは看板に偽りなし。
スプーンを入れると、牛すじは驚くほど柔らかくほぐれ、カレーは深みとコクがありながらも重すぎません。昼時には、そば屋とは思えないほどカレーを注文する客が多く、「ここ、本当に立ち食いそば屋だよな……？」と思ってしまうほどです。
さらに魅力的なのは、豊富なトッピング。
そば・うどんの定番である「かき揚げ」「生たまご」「わかめ」などはもちろん、「コロッケ」「カツ」「チーズ」など、カレーとの相性抜群のラインアップが並んでいます。
中でも私のおすすめはコロッケ。カレーにのせればボリューム満点、そばに入れれば出汁が染み込み、じゃがいもがほどよく崩れていくんです。
立ち食いのカウンターで「次は何を組み合わせようかな?」と考える時間すら楽しいんですよね。
日本文化として再注目。進化系・立ち食いそばの最前線
そもそも立ち食いそばといえば、「早い・安い・うまい」の三拍子がそろった、日本生まれの元祖ファストフードとして長く愛されてきました。
かつては仕事の合間に素早く腹を満たす場所というイメージが強かったのですが、近年はそのクオリティの高さが再評価され、メディア露出も急増しています。
いまやビジネスマンだけでなく幅広い層から支持を集めています。
さらに、立ったままそばをすするという独特のスタイルは、日本文化の象徴として外国人観光客にも人気が高いそうです。
そんな”進化系立ち食いそば”の象徴と呼べるのが、「山長そば」の牛すじカレーです。駅前で気軽に食べられるのに、味は本格派。そば派もカレー派も大満足の仕上がりで、一度食べればリピート確定の中毒性があります。
分倍河原駅に降り立ったら、ダシの香りに導かれるように、ぜひ足を運んでみてください。
立ち食いそばの枠を飛び越えた「早くて、安くて、めちゃくちゃうまい」名物牛すじカレー。
進化を続ける立ち食いそば文化の最前線が、ここにあります。
山長そば 分倍河原店
住所：東京都府中市片町2-21-1 加藤ビル1F
アクセス：JR南武線・京王線「分倍河原駅」より徒歩約1分
電話番号：042-368-5888
営業時間：10:00-15:00
定休日：土曜日・日曜日・祝祭日
駐車場：なし
