府中の町中でアートに出会える公園「桜通り広場公園」

府中の森公園や浅間山公園など、府中市には緑ゆたかな公園が多くありますが、全部でいくつの公園があるかご存じですか?
実は府中には、300ヶ所以上もの公園や緑道があるんです。

今回はその中から、町中でアートに出会えるステキな公園「桜通り広場公園」をご紹介します。

2つの駅から徒歩圏内で、アクセスしやすい

桜通り広場公園は、京王線府中駅からも、武蔵野線北府中駅からもアクセスしやすい公園です。

京王線府中駅からは、徒歩約6分の場所にあります。府中駅から「馬場大門のケヤキ並木」を北へ歩いた先にある「桜通り」。その桜通りを西に進むと、桜通り広場公園に辿り着きます。

また、武蔵野線北府中駅からは徒歩約14分の距離です。少しおさんぽをするのにも、ちょうどいいかもしれませんね。北府中駅の東側出口から南へまっすぐ歩き、桜通りにかかったら東に進むと、桜通り広場公園に到着します。

町中にあらわれるアート空間

五叉路のそばにある桜通り広場公園は、細長い形をしています。

桜通り広場公園には、遊具はありません。公園のいたるところに銅像が置かれ、アート空間が広がっています。

このアート作品「童々広場(どうどうひろば)」は、「蓮の池」や「走る童子」などの銅像の作品群になっています。作成者は、平城遷都1300年記念事業のマスコット「せんとくん」を制作したことなどで知られる彫刻家、籔内佐斗司さんです。

公園の東側では、「蓮の池」の銅像を囲むように、「カエル」の像たちが一列になって並んでいます。カエルたちがのっしのっしと歩いているようで、ほっこりしますね。

実は府中は、ハスの歴史と深い関わりがあるんです。

明治生まれの植物学者である大賀一郎博士は、昭和26年に遺跡で2000年以上前の古代のハスの種子を発見。そして、府中市内でその種子の発芽・開花に成功し、そのハスは「大賀ハス」と名付けられました。そのほかにも二十数種のハスを育成し、各地に分根したことで知られています。

大賀博士がハスの育成に使用し、第一回観蓮会を開催した寿中央公園があるのは、この桜通り広場公園から歩いて約3分の距離です。現在は多くのハスが郷土の森公園修景池に移植されていますが、寿中央公園には今でも「大賀蓮(おおがはす)」と「舞妃蓮(まいひれん)」の2種類のハスが植えられ、自由に観賞することができます。

そんな「ハス」とゆかりのある府中の、寿中央公園近くのこの公園で、「蓮の池」をモチーフにした作品を見られるのはなんだかステキですね。

つぶらなひとみのカエルたち。「蓮の池」から出てきて、池に沿ってゆっくりと歩き、「蓮の池」へ帰っていくような印象を受けました。

「蓮の池」は仏教において、極楽浄土の象徴。「カエル」は縁起の良い動物とされています。

たくさん並んだ銅像は、まるでカエルたちが実際に動いているかのようです。一歩一歩と歩みを進める彼らは、生き物の一生を表現しているのでしょうか。

府中を見守る「こぼすなさま」

「蓮の池」の奥、公園の東南の柱の上には、「こぼすなさま」がほうきを手に立っています。

籔内佐斗司さんは複数の「こぼすなさま」の作品を作っており、こちらはその内のひとつ。こぼすなさまは、穢れを浄化する霊力の象徴である「烏芻沙摩明王(うすさまみょうおう)」のご子息として制作された作品です。

お寺のトイレに、「烏芻沙摩明王」の像やお札が設置されていることがあります。他の生き物の命を食べ、排泄しながら生きているという人間の「業」を自覚し、感謝するきっかけになるように、という意味なのだそうです。

こぼすなさまは、その教えをもっとわかりやすく伝えてくれる存在。他の生き物の命を食べる時も、排泄する時も、決して「こぼすなよ」と語りかけてくれています。

桜通り広場公園にこぼすなさまが設置された時、視線の先にはゴミの集積所があったそうです。ゴミを出す人たちへ、日々語りかけてくれていたのでしょうか。現在も、府中の街を見守ってくれています。

府中を駆け抜ける童子たち

桜通り広場公園の西側にあるのは、「走る童子」の銅像群です。

ツノを生やした童子像が、公園を走り抜けるように並んでいます。

この「童子」は、籔内さんが繰り返し作成してきたモチーフのひとつ。「異界からやってくる神性を秘めた童子」で、この世のすべての現象のうしろには童子がはたらいているのだそうです。

左右の手足を力強く動かしながら、走っていく童子たち。その視線は、まっすぐ前を見つめています。

たくさんの童子が府中の町中を駆け抜けて風をおこしてくれているようにも、ひとりの童子が時間の流れや季節のうつりかわりを教えてくれているようにも感じました。

一瞬一瞬の時間の大切さをつい忘れてしまう自分に、時間は着実に進み決して戻らないことをあらためて伝えてくれたように思います。

ひとりひとり、光の当たり具合で微妙に表情がちがって見えるのも面白いですね。

府中の街中で、忘れがちな大切なことを思い出させてくれる童子たちに、ぜひ会いにきてください。

桜通り広場公園
住所:東京都府中市寿町1-12
アクセス:京王線「府中駅」から徒歩約6分、武蔵野線「北府中駅」から徒歩約14分
TEL:070-1001-0244(府中公園管理事務局)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。